堀口裕央

Yasuo Horiguchi  |  Photographer

ネパール
アンナプルナ・ゴーキョ・パンチョセ

Nepal / Annapurna, Gokyo, Panchase

2017年11月7日~12月6日

エヴェレストとアマダブラム(1)

エヴェレストとアマダブラム(2)

テントでほっこり

ニコニコ少年

バス亭

ヤクと少年(1)

ヤクと少年(2)

夕日に映える

鋭い眼差し

笑顔

みんなならんで

歓迎のレイ作り

気持ちの良い朝

遮光

爽やかなポーター

夫婦善哉

羊と犬

ネパール
アンナプルナ・ゴーキョ・パンチョセ

Note

出発日:2017年11月7日・帰着日:12月6日

相棒のジミ氏(ネパール政府観光省公認1級山岳ガイド、ツアー会社・ふれあいネパールの社主)と、ネパールの山だけでなく、そこに住む人々の生活、営みを撮影するプランを立てる。
でが、やはり山がないとつまらない。
誰も写したことのない1枚を求める。
それも誰も写したことのない1枚を求め、地図を見て撮影ポイントを決める。

11月7日
関空 - ネパール・カトマンズ(1,840m)
朝、7時集合。
間林女史(同行者)、ジミ氏と3人、大韓航空でインチョン経由ネパール、カトマンズ。

11月8日
カトマンズ - ルクラ村(2,840m) - バクデン村(2,610m)
カトマンズから軽飛行機でエヴェレスト街道の玄関口、ルクラ村へ(約45分くらい)。
到着後トレッキング開始。バクデン村へ。
3時間ほどトレッキング。間林女史、高度順応順調。

11月9日
ナムチェバザール(3,440m)
サガルマタ(エヴェレスト)国立公園に入りナムチェバザールへ。
高度順応のため、とにかくのんびり、ゆっくり。頑張らない。
間林女史しっかり強し、7時間。

11月10日
ケンジュマ村(3,550m)
この日も高度順応のため、のんびり、ゆっくり。3時間。

11月11日
フォルセ、タンガ村(3,880m)
この日も、のんびり、ゆっくり。3時間。
エヴェレストとアマダブラムを同時に撮影できるポイントに行く準備にかかる(テント泊)。
メンバーは、2014、2015年の遠征時からの相棒、ガイドのデビィ氏、サブガイドのビガース氏。
チーム堀口のいつものメンバーをジミ氏が手配してくれる。
ここで間林女史、ジミ氏が帰国のため別れる。

11月12日
テント場(フォルセ村)
一度、川まで下り登り返す。岩場とトゲがあるバラの草場を超え14時半頃着。
フォルセ村を経由。撮影ポイント(5,300m)にテントを張ろうとするが、水場のある5,000mに設営。

11月13、14、15日
テント場(フォルセ村)
朝、9時出発。
フォルセ村でテントをレンタルする。
撮影場所を探していると、今まで見たことのない大河のように流れる雲海。
山に雲が波のように激しくぶつかり、山肌を駆け上がってエヴェレスト街道を埋め尽くす光景にびっくり。
あとで聞いた話だが、間林女史とジミ氏は、下界で「雨模様で大丈夫か」と心配してくれていたそうだ。
遮るものは何もないエヴェレストとアマダブラムの素晴らしい夕景を撮影して18時に山を降りる。
登りも大変だったが下りはもっと大変。
真っ暗の中、ヘッドランプの灯が頼り。
三点確保、山靴のグリップを確認し、体の柔軟性の必要を感じながら岩を下る。
テントで留守番のビガース氏がライトでテント場を示してくれて21時に無事到着。
留守番を置かずに行くとテントごと盗まれるらしい。
テントの中で良い写真が取れたと確認し、2015年にエヴェレストを撮った時と同じ、嬉しさで安堵し、満足して寝る。

11月16日、17日
トォレ(4,302m)
朝、フォルセ村に人を手配し、テントを撤収して持ち帰ってもらう。その後、トォレに向かう。
トォレまで4時間のトレッキングだが、道はリアス式海岸のようにジグザグでアップダウンの連続。
近くに見えているが歩けど歩けどたどり着かない。心が折れる。
やっとのことでロッジに到着。
ソントス・ライ夫妻に家の中の撮影をお願いしたところ快諾をもらう。
一泊の予定だったが二泊にしてもらって、ゆっくり撮影。
ご夫妻の仲の良い写真が撮れた。心身ともに疲れもとれた。
2015年、ゴーキョから大雪のなかを歩いた。あの時のようにストーブにあたってのんびりした。

11月18日
ゴーキョ(4,190m)
ソントス・ライ夫妻と再会を約束し、川の上流ゴーキョに向かう。6時間。
15時半ごろ、ロッジに到着。満室状態だったが先発のサブガイドのビガース氏が部屋を取ってくれていた。
なんと、ロッジのオーナーから「堀口さん!」と声を掛けられる。
ガイドのデビィ氏の友人で、4年前のカルタパール・トレッキングのときに出会ってお茶を一緒したとの事。覚えてなくて恥ずかしい。
オーナーの知り合いだからということで、従業員からも撮影OKをもらえた。にこやかな表情が撮れる。
夕方から雪模様で冷え込む。

11月19日
ゴーキョ(4,190m)
朝、昨日の雪が積もっているが、天気はよく、太陽が照ると暖かくてすぐに消える。
ゆっくり起床してロッジで働くスタッフや周りの風景を撮影。
昼過ぎからゴーキョピーク(5,357m)に登頂し、エヴェレストの夕景撮影。19時にロッジに帰る。

11月20日
フォルセ、タンガ村(3,880m)
オーナー、従業員と再会を約束してフォルセ、タンガ村に向かう。7時間。
エドモンド・ヒラリー卿が創立した学校を撮影したいという思いがつのって、予定していたレンジョ峠(5360m)経由を変更し、来た道をもどり、クムジュン村をめざす。
途中でヤクと旅する親子に出会う。
砂埃の中、少年を半日追いかけて撮影。
仲良くなってチョコレートをプレゼントする。
砂まみれなのでロッジでシャワーを浴び、薪ストーブに当たりながらビールを飲む。美味い。

11月21日
ナムチェバザール
朝はのんびりと9時頃出発。
途中でタンガ村のはずれで出会った女の子や、クムジュン村の土産物屋のお母さんと男の子の笑顔を撮らせてもらう。
学校に許可をもらって撮影する。
ナムチェバザールに行く途中、衝撃的だったのは飛行場の滑走路の工事が始まっていたこと。ここもどんどん変わっていくんだなあ。

11月22日
ケンジュマ村
6回も泊まっている定宿なので居心地が良い。
奥さんにお願いして家事の様子を撮影させてもらい、互いに楽しむ。

11月23日
ルクラ
もう、ただただゆっくり、のんびりとルクラへ。
あと20分ほどでルクラという所で日本人のグループに「どこから来られましたか?」と声をかけた。
大阪弁がでていたのか、「前に大阪の人がいるで」と言われ挨拶に行くと、初対面なのに「堀口さんか、僕はあんたの個展に3回も行ったで」と嬉しい言葉をかけられた。
旅行会社・西遊記のガイドさんから打ち上げパーティーに招待されて、みなさんに紹介してもらい、お寿司までご馳走していただいた。本当に感謝です。
母校東京農大の後輩がルクラで土産物屋をやっているので会うのが楽しみ。
日本のTV番組の取材を受けた店だ。ここで土産をどっさり買って帰る。

11月24日
カトマンズ
カトマンズ行の飛行機に乗れるというので朝9時に飛行場に行くが、搭乗は15時。ネパール時間。
出発時と違ったホテルに泊まる。
洗濯物を町のクリーニングに出し、昼食はいつもの日本料理屋・桃太郎。
ネパール人の店長や、従業員と雑談しながらビールとから揚げ、餃子をつまみにかつ丼を食べる。
毎日のように食べに来ているので、店長から多くの山岳ガイドを紹介されて仲良くなっていく。
食後に土産物屋を営む仲良しインド人のカシミヤさんのところへ遊びに行く。ここも居心地の良い場所である。
明日はポカラ行。早朝6時にデビィ氏が迎えに来るので早めに消灯。

11月25日
カトマンズ
早朝、デビィ氏が迎えに来たがバス会社がストのため明日に順延。
疲れていたので昼過ぎまで寝直す。
昼食にお茶とケーキ。
スパーマーケットや、カシミヤさんのところで時間をつぶしたあと、桃太郎でネパール人ガイドたちとビール、ネパールのあわ焼酎で雑談。
このあわ焼酎が美味くて飲みすぎてしまうが、みなさんと仲良くなっていくのを肌で感じる。
昔は日本人が溢れ、正月にはおせち料理、お餅つき等が行われたが、今は年配のハイカーは来るが昔のような賑わいはないとの事。
大阪からカトマンズ直行便がなくなり、国力の無さを実感する。
昨年から大韓航空でインチョン経由カトマンズ直行便が開設され、フライトは約6時間半。便利で体に優しい。
英語を喋れない僕にとっては楽になった。
今晩も早く寝る。

11月26日
カトマンズ
早朝6時にデビィ氏が迎えに来る。
ホテルを出ると異様な光景。
ヨーロッパの高校生の一団が何組もバス停と思われる方向に黙々と歩いている。
バス停に着くとびっくりするほどのバスの台数。どうやらバスツアーの起点のようだ。
バスに乗り込むとペットボトルの水が配られる。
出発してすぐデコボコ道と大渋滞。前日がストだったので余計に混む。
4時間後にトイレ休憩と昼食。その後、2回のトイレ休憩、9時間でポカラに到着。
デビィ氏が懇意にしているフェア湖の湖畔のホテルまで徒歩20分ほど。
ホテルからのアンナプルナは、航空会社のカレンダーやマスコミの映像にも取り上げられるほどの絶景。早速、撮影に行く。

あとで聞いた話だが、バスは急な崖の道路を乱暴な運転で走るので転落事故がよくあるとのこと。
よくポカラに時間通り無事到着したな。

11月27日
カラバング村
朝7時出発。バスで湖畔に。
船で湖を渡り日本山妙法寺(1,113m)にハイキング。フェア湖とサランコットの丘、ヒマラヤ、アンナプルナを望む。日本人観光客多し。
カラバング村に向かい歩く。
途中、小学校、食事所、託児所で許可をもらって撮影をする。
そろそろ本日の宿泊所を決めなければということでデビィ氏が交渉。カラバング村でお世話になることに。
オーナーと話していると隣の仲良し夫婦が訪れる。
日本人が貧しい子どもたちのために創設した学校を訪問して寄付をした。
先生とスタッフがコーヒーの苗木を植え、豆を販売するという地道で素晴らしい経済の巡回システムを作り上げている。

11月28日
カラバング
夜明け前、村はずれの展望台からアンナプルナを撮影しようと向かったがガスが出ていて撮れない。
帰って、羊や水牛飼いの家と番犬、建築中の家、あわ焼酎を醸造する蒸留小屋など、魅力的な村を撮る。
ここは先週までいたエヴェレスト街道のゴーキョのように気温が0度以下になることもなく、16度くらい。
庭でバナナを栽培している家もある。
シャワーを浴びたくなる気温。
ペットボトルに水を入れ、陽に当てて温めた水でシャワーする。すっきりはしたが体調を崩す。
寝室には昔なつかしい蚊帳がつられ、安心して寝る。

11月29日
パンチョセ
今日もアンナプルナ撮影に向かうがガスで撮れない。
パンチョセに向かう前に、もう一度この美しい村を撮影して、仲良くしてくれた隣人にも挨拶をして出発。
トレッキングはアンナプルナを見ることもなく、人に会うこともなく、かすかな目印を探しながら、アップダウンのつらいジャングル・トレッキング。
村の近郊で放牧している水牛を撮り、村に入る。
今夜の宿を決め、食堂でなく土間でお茶、自家製あわ焼酎、食事をいただく。
早速、奥さんに撮影させてもらいたいとお願いする。快く了解していただいた。猫と共に素晴らしいのが撮れた。
そのころから咳が出だし体調を崩す。
デビィ氏と相談して、翌日撤退を決める。

11月30日
ポカラ
朝、奥さんに再会を約束して下山。
昼過ぎにバッタウレに到着。
昼食をとり次の宿泊地ノウダウを目指す。
ノウダウに15時頃到着。お茶をしていたらビガース氏がバスを止めてくれたのでポカラに向かう。
夕刻、ネパールの避暑地ポカラに到着。身も心も安堵してゆっくりとビール、あわ焼酎を飲む。

12月1日
カトマンズ
朝、9時30分発のバスでカトマンズ16時着。
バス停にポカラでお世話になった店主が見送りに来てくれた。ここでも再会を約束。
首都であるカトマンズにいるので安心感がある。
シャワーを浴びて、桃太郎で日本のアサヒ・スパードライ、日本盛、すっかり癖になったあわ焼酎を飲む。自家製のため、甘さとコクが違う。
ゆっくり静養して町の散策と洗濯をする。

12月2日~5日
カトマンズ

12月5日
関空に向けフライト(インチョン経由)

12月6日
関空着

主要都市での「病気」、「体調を崩す」はなんとかなるが、山岳トレッキング中では大変なことになる。
病院がある町に行くバスに乗るには歩くしかなく、1、2日かかることもある。
頭でわかっても体験すると恐怖を実感させられた。

帰国後、山岳会のK長老から「このエヴェレストとアマダブラムのアングルはないやろう」どこから撮影した?と驚かれる。
撮影に妨げになる5,500mの山を登ってきました、と言うと「努力してる」と嬉しい言葉をもらった。

撮影者

Photographer

堀口裕央

Yasuo Horiguchi

撮影機材

Photographing Materials

Camera:FUJIFILM GFX 50S

Lens:GF 32-64mm F4

撮影期間

Period

2017年11月7日〜12月6日

2017.11.7 - 12.6

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